スケジュール格闘譚 〜 身支度ギリギリ

スケジュール格闘譚 〜 身支度ギリギリ
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〈フレックスダイアリー〉M6
〈水紋〉

〈ORIカレンダー〉のリリース準備を通して、「実はスケジュール管理について何ひとつ分かってないにも関わらず、分かってないと認めたくなかったせいでずっと怯えてた」ことを自覚したかなじいです。皆様ご機嫌うるわしゅう。

2023年11月のイベント参加で、「常にギリギリすぎる自分を変えねばヤバい」と思った私は、翌月1日にこんな目標を立てていました。

智文堂のWEB通販に同梱のペーパーとインスタグラムでも触れたので、ご覧になった方いらっしゃるでしょうか。M6サイズの〈満〉を使って書いています。

「常にギリギリ」問題は日常の至るところで発現していまして(あかんがな)、かねてから「いい加減どうにかせねば」と思っていたのが「出かけるときだいたい準備がギリギリすぎる」件です。公共交通機関に間に合うかどうかヒヤヒヤしながら急ぐの、もうやめたい。

そうなのです。私ときたら、出かける前の身支度の段取りがうまくできないのです!(書いてて恥ずかしいわ)

何度も冷や汗をかいてるので(改めろよ)何がギリギリを招いているのか考察してみました。段取りには大きく「何をやるか(工程)」「どれくらいかかるか(所要時間)」「どういう順序でやるか」が必要です、よね(うまくできないと認めると、これさえ不安が……)。

身支度の場合、さすがに工程と順序は分かっています。慣れってすごい。

どうやら所要時間の見積もりが甘いようです。(はっきり書くと堪えるわあ)

ところで私は、これまで計画を立てるとき、時間をほぼ数直線でしか考えたことがありませんでした。ほら、時間”軸”って言うじゃない?

数直線で予定を書くときは、カレンダーか〈フレックスダイアリー〉を使うことが多いです。

こんな感じ。いかにも王道の「スケジュール」

しかし、身支度の段取りに数直線ってピンとこない。細かい動作の連続だし、状況によって順序も変わるし、なんか問題と手段の相性が良くない気がする。

そこで記憶をたどって、自分が出かける準備をしてる様子を考察してみると、

  • アナログ時計をしょっちゅう見て
  • 「針がこの辺に来たら次の行動すればいけそう」というのをこまめに考えている

ことに気がつきました。ほほう!(ちなみに私はかなりの「アナログの腕時計がないとイヤ」勢なのですが、そこにこだわる理由がいま納得できました。これか!しょっちゅう針の位置を見たいんやな!)

つまり針の位置を行動の目安にしているわけです。そこまでしてなぜギリギリになる??さらに考えていくと、私は出かける直前でも「書きたいことや、気になるパソコン作業があると、ついそっちを優先してしまう」という厄介な傾向があることに気がつきました……「ちょっと余裕あるな」とか、切り上げる時間が迫っても「もうちょっとだけ」と思うのが明らかな弱点!(計画性ゼロか)

つまり見積もりが甘いのは、「いま気になることを優先した結果押した分をリカバリするのにかかる時間」と確定。ピンポイント!それならデッドラインを針の形で自分に見せれば効くのでは!

ということで試してみたのが、〈水紋〉を使ったアナログ時計の羅列です。

じゃじゃーん

これまでに3回を重ねました。徐々にブラッシュアップ中。

左端が第一弾です。左上↖︎の円に出発時間(7:30)を置き、そこから逆算した時刻を Z 形に並べました。この日は岡山に日帰りで出かける予定で(上で〈フレックスダイアリー〉に書いた数直線もその日の予定)、高速バスに乗らねばならず、めちゃくちゃ緊張したのであった……が、これがかなり効果がありまして!

真ん中が2回目、右端が3回目です。2回目からは、出発時刻は右下↘︎に置き、Z 形を逆流するように段取りを遡っています。段取りはデッドラインから逆算しますが、時間は左上から右下に向かって流れるのが、自分にとっては自然な感じがしたので。

私が出かける前にきっちり済ませたいのは「食事(準備と片付け含む)」「身支度」だけなので、円は6つあれば足りることもわかりました。〈水紋〉で余った円2つには「ここは死守!」という時間や、その日の準備に必要なことをピックアップしています。

裏面には、その日の持ち物や振り返りなどを書いておくと、次回以降の参考になります。

自分の問題にわりと合う(効き目のある)フォーマットの原型が出来上がったことで(これを探り当てるの、私の手帳ライフで一、二を争う幸せです)、前日もあまりそわそわしなくなりました。不安ならこれを書けばいいもんね、と思えるのは気持ちの余裕に効果絶大。うれしい!

書き方や道具のことなど

ある程度落ち着いた状況でじっくり考えて書くものなので、道具にはそれほど制限はありませんが、細かいルールや書き分けを決めるのはあまりオススメしません。ルールを守ろうとする分、所用時間の見積もりや段取りの逆算に使うエネルギーが減るからです。

書きたいのは、時計の針と時刻、段取りの中身です。針を書くには目盛りがあった方が圧倒的に楽。また、針だけだと全部の時計が似たような印象になってしまい、混乱しそうだったので、それぞれの動作に使える時間帯を淡い色で塗ることにしました。ついでに最終のデッドラインも強調(写真では出発時刻の 11:05 です)。

以上を考慮して、現在のところ使っている筆記具は

  • サクラクレパス ボールサインiD:時刻の目盛り
  • 万年筆1本:時計の針と文字全般
  • ぺんてる スーパーマルチ8:時間帯と強調部分の塗りつぶし

となりました。スーパーマルチ8にはボールペンも入ってるので本当は2本に絞れるんですが、ボールサインiD使いたさに抗えず。

また、時刻の目盛りも、最初は目分量で書いてたものの(12・3・6・9時を書いて、その間をだいたい3分割する)2回目すでにイヤになったので、透明プラスチックの端切れ(たぶんカラーペンのセットか何かを買ったときのケース)をサークルカッターで切り抜いて、テンプレートを自作しました。〈水紋〉の円周のサイズと、やや内側のサイズ(今回のサンプルで使用した時刻の目盛りはこっちを使用)の2種類。小さい方に外円がついてるのは〈水紋〉と合わせるためのガイドです。

透明すぎて伝わりづらいですが目盛りの内側は穴が空いてます

どうでもいい話。「あ」は目盛りを書いた面がどちら側かを明示する記号です。目盛りはマーカーで書いていて、紙に擦ると汚れる恐れがあるので。


今回ご紹介したのは、準備中に見るマニュアルではなく、自分の頭を整理することが目的の書きものなので(完成したページではなく書いていくプロセスに意味がある)、書き終えた結果を他人様がご覧になってもピンとこないと思います。スミマセン。こういうフォーマットもありうるな、という参考になれば。

使用したリフィル

スケジュールって、考えれば考えるほど、個人の性質や人生と深く結びついてるんだなあ……と実感しています(遅咲きの四十路)。そうだとすれば心理的な要素が大きく関わってくるのも当然で、私は手帳の書き方がどうとか言う前に、まず解消しなければならない心理的な抵抗感が山積みでした。

だからと言うのも乱暴ですが、スケジュールが管理できないとか手帳がうまく使えないというのは、自分で思うより大きな課題に取り組んでいるということかもしれません。それで悩んでるってことは、それをどうにかしたいと頑張っていることの証ですしね。自分を労わりつつ、気に病む部分は減らして、細かい工夫を重ねていきましょう。と、誰よりも自分に言い聞かせたい。

それでは、次回もよろしくお願いいたします。

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