身体の不調にまつわる数々の泣き言を書き散らかし、それを解消する手段としてのストレッチの継続を繰り返し誓ってきた智文堂でありますが、完治とは言わないまでも、この秋、日々の動作にストレスや怖さを感じないほどに問題が解消してきたことを実感いたしましたので、ここに喜んでご報告いたします(うれしくて言いたいだけ)。
この書き出しでご推察のとおり、今回の記事は自分語りで、手帳や手書きの話はほぼ出てきません。私がこれまでのストレッチの経緯を振り返るだけの内容となっております。
ストレッチに至るまで – 主たる困りごと
不調はいろいろありましたが、現実問題として常に困っていたのは以下の3つ。
- 右の親指から手首にかけての痛み(いわゆる腱鞘炎)
- 腰(右側の脇腹から背中にかけて)の重だるさ
- 歩くときの右脚の膝下や股関節の痛み(好不調の波はありつつ)
見事に右半身に集中。書きすぎやって。
仕事と日常生活を直撃するので、気分も落ち込むし、本当にイヤな困りごとでした。このことばっかり考えてるもんだから、何か原稿を書くときもこの話題しか浮かんでこないし、それでまた落ち込んで、絵に描いたような負のループ。とにかく落ち込みをどうにかしたかった。なぜって書きたいから。
とにかくほぐすことから
「気の持ちようでどうにかする」のは早々に諦め、さりとて筋力もないので、いきなり激しい運動は無理と判断。まずは身体をほぐさないことには!と考えてストレッチを習慣にしようと思いつき、
〈ORIカレンダー〉の余りを使ってハビットトラッカーをつけたり、
果てには〈調子ログ〉という商品まで作って体調をモニタリングしたり、
我ながら涙ぐましい努力をしたもんだ。人生初のMRIを撮ったときから数えたら7年以上もこれでジタバタしたんだな……まあ、会社辞めて、長らくごまかしてきた問題が一気に噴出して、一時的に悪化したんだろうな、といまなら思えますが。
ストレッチは続いたのか
身体にいいと、頭でわかってるだけでは続けられないのが人間の性。
初めがキツかった
ストレッチトレーナーの方の YouTube チャンネルを見ながらメニューをこなしたり、整体の先生に見てもらったりして、しばらくはきっちりしたストレッチをやってました。上掲の記事を書いた時期ですね。
最初は全っ然効いてる感じがしなくて、身体は痛いし気分は期待したほど晴れないし、何を支えに続けたらいいんだ……と心許ないったらなかったです。当時は本当に切実な気持ちで手帳を工夫したんだ……書き方を考えて、書いて、そのことでストレッチを続けられる手応えがあったときは本当に嬉しかったもんな。手帳のおかげでこの山を越えられたと思います。
モチベーションの変化
そのうち(3ヶ月くらいかかったかな……長かった……)ようやく「あれ……もしかして効いてる……?」と感じられる日が出てきました。身体の痛みが和らぐとか、重だるさがマシになるって、こんなに私の気分を左右するのか、と感動した。
時間がかかったのは、本当に体が硬かったからだと思います。なんちゅうか、ストレッチして筋肉を動かそうにも、問題の部位のみならずそれを取り囲む周辺までがカチコチすぎて、神経や血流の刺激がなかなか届かなかったんだと思う。どんだけ硬かってん。
このころと並行してだったか、もはや時系列が定かではありませんが、私の積年の課題が限界を迎えておりました。そう、ACです。この件でいろいろ本を読んでいて、ポリヴェーガル理論という論説を知った私。最近は関連書籍がたくさん出ていますので、詳しくはぜひそちらをお読みいただきたいんですが、素人の私は無謀にも自分の感覚に引きつけて超・乱暴に解釈を加え(良識のある人は真似しないでネ)、「身体の強張りがほぐれたら自律神経(腹側迷走神経)が活性化されてメンタルの過緊張が緩むのでは……?」と思ったのです。身体が楽になることが気持ちを明るくする、という確かな実感があったからそう考えたのかも。
まあ、鰯の頭も信心から。
そういう次第で、ストレッチはもはや身体だけの問題ではなくなったのでした。しかし根が怠惰な私、きっちりしたメニューをこなすのに飽きが来ていた時期でもある。ピンチ!だがここが正念場。
そう思った私は「家事の動作でストレッチする」という斜め上の手段に出ました。生活で身体を思いっきり使うならそれが本来の姿であろう!と開き直って。頑張ったのは以下の3つ。
- トイレや洗面所、風呂場の拭き掃除をするときに腕と背中を思いっきり伸ばす
- 食器を洗っているときに下半身を捻ったり伸ばしたりする
- 洗濯物を畳むときに座位開脚前屈する
これ、私にはめちゃくちゃ良かったです。掃除や洗濯も捗るし(あくまで自分比ですけど)ストレッチして家が片付いたりキレイになるならやりがいがある!YouTube のメニューで学んだことや、整体の先生に教わったことを踏まえ、何より身体の反応を見つつ、気になるところが伸びるようにいろんな体勢を試してました。傍からは、ものすごい張り切って掃除をしている(あるいは不可思議な舞をしている)人に見えたであろう。
ちなみに洗濯物の話は、通販のおまけのフリーペーパーでネタにしました。
そして身体が少し動くようになったころに風景印と出会い、散歩の習慣も後押しされます。とはいえ、イベント準備などで立て込むとすぐ散歩の時間を犠牲にしてしまう薄弱な意志😝その点、家事ストレッチは仕事が押してきてもなんとか続けられる頼もしさあり。
そして成果が
自分なりに真面目にストレッチに取り組んで3年。
主たる困りごとのうち、2. 腰の重だるさ と 3. 膝下・股関節の痛みは、日常生活を送る上で支障がないくらいまでに軽減しました。完全になくなったわけではないけど、動かしてれば可動域が広がったり、伸ばしたいところがちゃんと伸びるようになったり、大丈夫そうな変化を感じるので、これはまだまだ途上ということやろなと。
そして、1. の腱鞘炎(いうて予備軍の軽度のものでしたが)はほぼ解消しました。自分なりにケアの方法も習得しつつあります。これが一番大きかった。
思いっきり書けるぜ!!めちゃくちゃうれしい。。
体全体がやわらかさを取り戻しつつあるので、ちょっとかがんで物を取るのが苦じゃなくなったり、棚の奥の方にある物へ手が届きやすくなったり、地味にいいことがちらほら。あと、右の腕力が戻ってきた。
ストレッチで学んだこと
めちゃくちゃ時間はかかりましたが(本腰を入れて3年、うっすら始めた頃から数えると7年……)おかげで自分の身体とお近づきになれたような気がするのが最大の収穫です。座りすぎたり書きすぎたとき、筋肉のあちこちが冷えて硬くなってるのを感じられるようになったし、ほぐすやり方も少しずつ開拓できています。なんとかできると思えるって宝。
筋肉って、知識でしか認識してなかったころは、各部位ごとにほぼ独立したパーツが関節で接合されたようなイメージを持ってましたが、ストレッチをやってみると、もちろんメインの担当は決まってるんだけど、何層もの筋肉がミルフィーユ状に、少しずつ位置をずらしたり隣とつながったりしながら全身を動かしている、という感覚に変わってきました。「チーム私」という感じ。(何言ってんだ)
「ここ伸ばしたらこっちが緩むの!?」という意外な発見の連続で、自分の身体でありながら、不思議なパズルを解いているような面白さもあったりして。
考えてみたら、パーツに分かれてるのは、筋肉じゃなく骨の方なのだった。
骸骨やドクロ、けっこう好きなのです (^皿^) 厚生労働省のサーバに掲載されている骨格図をA5サイズに縮小コピーして、リフィルを重ねてなぞりました。神経使った……(こういうことばっかりしてるから手首を痛めるんだぜ)
身体を使わなさすぎたり、身体の使い方のバランスが悪いまま変に硬直してしまうと、骨の向きや位置が(一番無理のかからないニュートラルな位置から)ズレていって体格まで変わってしまうんだな、とも知りました。ストレッチを始めてから、靴下のすり減り方が変わったり、足の小指の爪の形が少しキレイになったりして(さりげなく自慢を混ぜ込むスタイル)身体の使い方や力のかかり方が変わったことを実感しています。
ストレッチを通して、一朝一夕では楽にならない、ということも骨身に沁みた感じ (^_^;) でもそのことが身体で納得できたおかげで、ACの件でメンタルの課題に取り組むときも、目先の変化の有無に一喜一憂せずに経過を待てたと思います。身体と心はつながってるんだなあ……という当たり前のことがわかってなかった40余年。
調子に乗ってサボるとすぐバランスが崩れるので、家事ストレッチはこの先もずっと続けていきましょう。何度も不調を訴えてご心配をおかけしてしまいましたので、どうやら対処方法が身についてきたようです、というご報告でした。
長文にお付き合いいただきありがとうございました!これからますます手書きと手帳周辺のアイテム制作に邁進する所存です。
お詫び
ガイコツを書いたリフィルはA5サイズの新商品〈楓〉なのですが、商品説明ページと STORE の準備が間に合わず……整い次第リンク貼ります。
それではまた次号で!