先日、興に乗って駄文を書き連ねているとき、はたと万年筆のインクが切れました。まだまだ書きたいことが頭の中に渦巻いているので、早く補充せねば。入れていたのは黒インクなのですが……困った。「入れたの、どの黒だったっけ?」
目の前の万年筆に入れたインクがわからなくなって困る、という経験をされた方は少なからずいらっしゃるようです。なんとかならないかな……というお客様の声を受けて、企画会議のメンバーでああだこうだ討議したところ、これは!という妙案が生まれましたので、記事でご紹介したいと思います。
いろいろ意見を出し合った結果、重要なポイントは以下の2点ではないか、と推測しました。
- インクからではなく、万年筆から探したい
- インクを入れた日付や履歴は要らない
これを踏まえてご提案する運用(システム)は、〈水玉罫〉リフィルに万年筆の名前を書き、その上に〈スケルトンリフィル〉を重ねて入れたインクをメモしておく、というものです。文章にするとずいぶん簡単ですね……。実際、中身も簡単です。
1. 万年筆を羅列する
まず〈水玉罫〉に、よく使う万年筆の名前を書きます。ここはできるだけシンプルに書くことをおすすめします(後述)。メーカー名、ブランドライン(型番)、字幅、必要なら軸の色などを書けば良いでしょう。自分が分かればOKですから、略称も積極的に使っていきましょう。
2. 透明のシートを重ねてインク名を書く
その上に〈スケルトンリフィル〉を重ね、万年筆の上に、インク名を書いたメモを貼っていくだけです。インクを変えたら、メモを書き換えておしまい。
写真が地味ですね……。付箋にインク名を書いて、万年筆の上に貼りました。インク名にも略称を駆使しております。
付箋は、3Mのスリム見出しミニ(25×7.5)がちょうど水玉1つに収まるようです。付箋がぴらぴらして不安な方は、全面に糊のついているロールタイプや、マスキングテープもおすすめです。特にマスキングテープは色柄が豊富ですので、インクごとにテープを使い分けるという手もありますね(管理が必要ですけれど)。
プラス一工夫
使うインクの種類は多くない、つまり「付箋に同じインク名を何枚も書くのは大変だ」という方は、さらに〈中扉〉を併用されてはいかがでしょうか。〈ライブラリーリフィル〉の裏面にインク名を書き、各インクに対し、例えば写真のようなカラーラベルシールを割り当てます。同じ黒インクでも、ペリカンは青、モンブランは赤、という具合。こうすれば、右側の〈スケルトンリフィル〉にはシールを貼るだけですみます。
万年筆の本数が多くて〈水玉罫〉1枚に収まらない場合は、〈スケルトンリフィル〉とのセットを必要なだけ増やしていただければと思います。〈ライブラリーリフィル〉はインクの本数次第ですね。〈水玉罫〉と〈スケルトンリフィル〉は取り違えないように、インデックスシールなどで目印をつけておくと安心です。
万年筆の名前は、シンプルに黒ボールペンで書くのが、結局は一番見やすいようです。絵面が寂しい気がして、欲張っていろいろ描いてみましたが、ズバリ使いづらいと感じました。
入れるインクが決まっている万年筆はあえて外す、などはもちろんご自由に。
本記事のネタは、(リフィルのサイズが違いますが)2022年4月に発売したリング製本のZINE(M6サイズ)に掲載しております。よろしければご覧くださいませ。
また、使用したリフィルは以下です。
それでは、次回もよろしくお願いいたします。