書写を楽しむ #3

書写を楽しむ #3
〈窓〉商品ページ

サイズの異なる3種類のリフィルに、共通のテーマで青空文庫から作品を選んで書写してみました。それぞれを手帳に綴じて、このページとあのページは実はおそろいなんだぜ……と一人ほくそ笑む私。

ここでのテーマは金木犀です。香りや佇まいが好きなのに加え、イラストにしやすいというメリットもございまして。文字を書くには出番が少なくなりがちな、黄色やオレンジのカラーペンが大活躍です。

日付シート(M6用)のおまけのカードに、使用した筆記具の一覧を書いて、リフィルの撮影時に添えましたので、ご参考までに。(文字にも起こしました)

バイブルサイズ

筆文葉〈切り取り一筆箋〉を使用しました。詩歌の書写や、イラストなどを添えたいとき、ついついこれを使ってしまうお気に入りのリフィルです。

  • 上村松園『京の夏景色』
  • パイロット カスタムヘリテージ91 × 色彩雫 山栗
  • パイロット レグノ 89S × エルバン ビルマの琥珀
  • パイロット ジュースアップ04 オレンジ
  • 呉竹 クリーンカラードット 503 SUMMER SUN
  • 呉竹 クリーンカラードット 402 KIWI

ジュースアップで書いた小花の輪郭に、クリーンカラードットの黄色をポンポンと重ねただけです。周囲に黄色と黄緑の点々を散らすと、なんだか金木犀っぽく見えてきませんか。

M6サイズ

波文葉〈浅瀬〉を使用しました。横罫がシーソーのように連なるリフィルです。罫線の隙間に小さくイラストを入れると華やかに。日付シートを使って日記感を出してみました。山頭火はこんなちょこざいなこと絶対しないと思うけど。

  • 種田山頭火『其中日記』
  • ペリカン スーベレーンm805 × モンブラン セピア
  • パイロット レグノ 89S × エルバン ビルマの琥珀
  • 呉竹 クリーンカラードット 503 SUMMER SUN
  • 呉竹 クリーンカラードット 064 FAWN
  • 呉竹 クリーンカラードット 207 ISLAND CORAL
  • セーラー 四季織マーカー 常盤松(撮るときに並べ忘れた)

作品タイトルと、文中の「金木犀の香」という言葉を、インクを変えて書いています。花はクリーンカラードットで点々を打っただけ。その分、葉っぱは形をとりました。

M5サイズ

そら文葉〈窓〉を使用しました。吟詠罫の名のとおり、書写にうってつけのリフィルです(手前味噌)

サイズは一番小さいけど、書き込みは一番多め。

  • 北原白秋『白南風』木犀
  • ペリカン スーベレーンm805 × モンブラン セピア(作品名のみ)
  • ファーバーカステル アンビション レジン × ダイアミン ラスティックブラウン
  • ゼブラ マイルドライナー マイルドアプリコット
  • ゼブラ マイルドライナー マイルドゴールド
  • セーラー 四季織マーカー 金木犀
  • セーラー 四季織マーカー 若鶯
  • セーラー 四季織マーカー 常盤松

濃淡2種類のインクで、同じ節を輪唱のように書いています。四つ菱❖のような花びらを、3種類のペンを持ち替えたり重ねたりして散りばめました。文字(と窓枠)に対して、花は常に背景に配置すると見やすくなります。

おさらい

リフィル単体の写真はギャラリーでご覧ください。

使用したリフィルは以下です。

余談

この記事を公開した2022年9月9日、英国のエリザベス女王二世の崩御のニュースが世界を巡りました。8月末にはゴルバチョフ元書記長も逝去し、ひとつの時代が終わっていく感慨を抱いています。しかしコモンウェルスという同盟が今日まで維持されていることといい、英国の覇権のセンスには畏怖すら感じざるを得ません。

Royal.uk をはじめ、英国議会BBCGuardian などのサイトが弔意を示しているのはもっともなこととして、Smythson のサイトで(日本時間の 9/9 夜時点で)別段何も触れられていないのは意外な気持ち。(抽出に甚だしい偏りがあるのはお見逃しください)

それでは、次回もよろしくお願いいたします。