みなさま万年筆はお使いですか。
万年筆にはインク補充がつきものです(つけペン的に使うアイデアもありますが、それはちょっと脇に置いといて)。万年筆をお使いのみなさま、インク補充はお好きですか。私はインク補充の作業そのものが好きなわけではありません(毎回ほぼ指を汚すし、インク瓶を探したり作業場所を確保するためにワタワタするし ※ いかに机が雑然としているか)が、インクを1クール使い切ったことには達成感を覚えてニヤニヤします。
数え切れないほどインクを補充した今でも、「おおっ😳」という発見がたまにあります。一つ一つは小さいことですが(すでにご存知のものばかりかもしれませんが)、発見が楽しかったので、いくつかご紹介したいと思います。
今回はリフィルというより万年筆の話がメインで、文字多めです。ご了承ください😁
気泡を撲滅したい
(1) 泡立ちタイプ
私の万年筆の中で、インクの吸入回数の多さではトップクラスの中屋万年筆・十角軸ポータブル。つるんと継ぎ目のない軸を実現するためか、吸入式ではなく両用式(カートリッジまたはコンバーターいずれかを挿すタイプ)です。
私はコンバーターを挿してモンブランのラベンダーパープルというインクをずっと使っているんですが、吸入するとき、泡立てた?というくらい細かい気泡がたくさん入ってしまうのが悩みのタネでした。(写真がなくてすみません)気泡が多すぎて「ほとんどインク入ってないんじゃ……」というレベル。これでは吸入したところですぐインクがなくなるのは目に見えている。そしてまたこの気泡にまみれる吸入を繰り返すのか。
吸入回数が多いので、「あ〜あ……」となる回数も多いわけです。ペン芯が十分にインクに浸かってないのかしら、ペン芯が汚れて詰まってるのかしら、とあれこれ原因を考えて、首軸までインクに浸けたり、なるだけ丁寧に洗ったり、コンバーターを交換したり。だが変わらず。コンバーターをわざわざ抜いてシリンジで補充するのもめんどくさい(吸入回数が多いから)。仕方なく何度もピストンを上げ下げしてお茶を濁していたわけですが、ある日ふと思いついて試したら、気泡が劇的に減ったんです!
コンバーターをゆっくり巻き上げればよかったのでした。
感動のあまり、Pen and message. の月刊フリーペーパー『雑記から』の原稿にしましたよ……。(写真は元原稿のみです。ないとは思いますが、お店ではバックナンバーは保管していないので、お問い合わせはご遠慮くださいませ)イラチはモヤモヤの元。
入れるインクを変えたときだけ、〈万年筆ジャーナル〉にメモしています。本記事を書くにあたって調べたら、どうやら中屋にラベンダーパープルを入れ始めたのは2012年9月ごろでした。それ以来、ラベンダーパープル以外のインクは一切入れていませんので、ほぼ10年この色一筋!それなのにインクが廃番!😫
写真左に写っているのは2012年版の高知県民手帳です。会社員時代はずっとこれを使っていまして、私はわりと過去のノートをバッサバッサ捨ててしまう方なのですが、これだけは保管しています。おかげで使い始めを追えました🙌高知県民手帳は毎年、表紙とスピン(栞紐)の色が変わるんですが、2012年はラベンダーパープルにぴったりの取り合わせだったのですね〜(忘れてた)。
ちなみに、いつインクを吸入したかという作業ログを残したい向きもおありでしょうか?今回は変則的に〈飛行機〉を使うアイデアをご紹介しておきます。
タイトルに万年筆の名前を入れて、下のマス目に日付とインク名を入れていくだけ。マス目は1行ごとに少し隙間が空いているので、リストのように使えます。
中屋はラベンダーパープル一筋なので代わり映えしませんが、いくつかのインクをルーチンしている場合などは見返して楽しいページになりそうですね。そら文葉の紙は大抵のインクで裏抜けなくお使いいただけますので、両面使いもご安心を。
M5リフィルは角を5mm強ほど落とすと、バイブルサイズのリングに干渉せずに綴じることができます(アシュフォードの商品にもありますね)。ページがいっぱいになるまでは、万年筆ジャーナル(的なページがあれば)の近くに置いておくと記録がしやすいかもしれません。書き切ったら別のバインダーに移動させます。
(1) だけですごい長さになってしまった……ようやく (2) へ移ります。
(2) かたまりタイプ
パイロットのコンバーターって、どうしても空気の塊が残りませんか?他社のコンバーターでは感じたことがない疑問(というか不満)。高さにして数ミリ分の空気が残る!(これまた写真がなくてすみません)ただでさえ容量の小さいコンバーターで数ミリは大きい。私はこれを満タンにしたいのです。満タンでないコンバーターのインクを使い切っても、達成感が中途半端だから。(共感しにくい)
トントンして空気をペン先側に集めて、コンバーターを巻き上げて逃がそうとしても、上の方に少量のインクがふさがっていて、ペン先からインクがドバアと溢れてしまう。やったことない方には一切ピンとこない文章で恐縮です。もったいない!そら指も汚れるわ。
それならコンバーターを抜いてでも空気を追い出してやる。というわけで、動画を撮ってみました。言うてるわりに肝腎の「空気が残っている」様子がほとんど映っておらずわかりにくいですが、空気を追い出すのに成功した瞬間はおわかりいただけるのではないでしょうか。
(何やらのんびりしたBGMが流れます。音量注意)
この方法なら満足できるレベルまでインクを入れられるとわかってからは、パイロットのコンバーターでは必ずやっています。強迫的。キャップレスだけは嵌合部が硬いので思うに任せないのが無念。
ボトル残量が減ったら
まだ続くのか。
インクが少なくなってくると吸入がやりづらくなります。ペン先が瓶底に当たりやしないかと心配。ペリカンのエーデルシュタインではない方のインクボトル(アウロラやデルタなども同形状)は、傾けて立てることができるように工夫されていますが(カランダッシュのインクレディブルカラーズに至ってはもはや最初から傾いていますが)、そっちの方が例外でしょう。
かなり前、これまた Pen and message. の『雑記から』で、実体験からビーズクッションおすすめですとご紹介したことがあります。当時は肘置きサイズがまだ比較的簡単に手に入ったんですが、最近は大型のが主流になってしまい (@_@;) ちょっとご紹介しにくいな〜と思っていました。
ただ、モンブランのボトルインクは解決策を見つけたのです!(最新のリニューアル後はまだインクを買ったことがないので未確認ですが)ラベンダーパープル(とその同期)の箱を開けると、保護のためのスポンジが入っておりまして
これをボトルにあてがったらば
傾くじゃないの!!(喜)
実際、吸入が大変やりやすくなりました。もしかしてこのスポンジ、このために入ってる?(そんなわけなかろう)
写真右側は、ビーズクッションをご紹介した記事の元原稿です。この頃は中屋 × ラベンダーパープルで書いてました。ペリカンとカランダッシュも見えますね〜(ネタにすることが大して進歩してない)
インクの吸入ログの話や、インク廃番の恨みごとは、2022年春に発売したZINEのネタにもしています。よろしければ。
また、インクログに使用したのは以下のリフィルです。
ひさびさの長文でした!ここまでお付き合いくださった方、誠にありがとうございました。
それでは、次回もよろしくお願いいたします。