恥ずかしながら、私、この歳になっても百人一首が身についておらず、本年はひとつここを攻略しようかと思っております。
では具体的にどうするか。ただ羅列するだけではあじけないし、繰り返し書いて頭に叩き込むとか、詰め込み勉強的な方法は考えただけで楽しくありません。
白洲正子氏だったか、札の墨筆が絵柄のようだったから(活字と違って)覚えられたのだと思う、と書いていたのをどこかで読んだ記憶があり、それに対するぼんやりとした憧れもありまして、自己満足ながら似たようなことをお遊びでやってみたいと考えました。
そこでちまちま書いてみたのがこちら。じゃじゃん。使用したのは見た目も楽しい〈水玉罫〉です。
国立国会図書館蔵(デジタルコレクションとしてインターネット公開中 – dl.ndl.go.jp)の、菱川師宣画『小倉百人一首』を雰囲気だけ真似ましたのです。字の拙さはこの際ご容赦くださいませ。
おもて面に上の句、うら面に下の句で、リフィル一枚に18句、しめてリフィル6枚です。歌番号の順に、右から左、上から下へ並べました。上と下の句を取り違えない便宜で、インク4色で書き分けております(3色ですと繰り返しが単調になって飽きるかと思っただけの理由です)。
読みがなは気の向いたものにシャープペンシルで入れました。詠み人は未記入です。歌を覚えてからでも良いかなと思っております。
五十音順に定まり字を並べ、歌番号を併記した索引は、〈ライブラリーリフィル〉のうら面に入れました(インクの色は歌とは不同です)。これで特定の歌を検索したいとき、少し楽ができます(下の句では手が出ませんが)。
ちなみに使用したインクは右から(ダイアミンは詰め替えたので瓶が純正ではありません。ご注意ください)
- Diamin BlueBlack – ダイアミン ブルーブラック
- J.HERBIN Bleu Pervenche – エルバン ツルニチソウ
- MontBlanc Lavender Purple – モンブラン ラベンダーパープル
- CARAN d’ACHE CHROMATICS INKREDIBLE COLORS Delicate Green – カランダッシュ クロマティクス インクレディブルカラーズ デリケートグリーン(長い)
百人一首は酔狂ですが、たとえば
- 重要英単語と派生語(「世界の言葉でこんにちは」なども面白そう)
- 花の名前と花言葉(樹種とよく用いられる用途とか)
- 犬や猫の品種
- プログラミングのコマンドと主要オプション
など、何も見なくても自分の頭から自由に出し入れできるようになりたい情報があれば、システム手帳に入れておくと馴れ親しむうちに吸収できる、かもしれません。
ちなみに私はこれを作ってすぐ、うれしい誤算がありました。
ローラー&クライナーの「ライニガー」という万年筆洗浄液があります。スタッフK女史のドレープブログで使い方が丁寧に紹介 (blog.goo.ne.jp) されていまして、洗浄のポイントは「液を満たして5分間、待つ間に筆記する」ことらしいのです。
後に残るでもない文字を5分間書くとなるとネタに困ります。「の」の字を書いてもすぐに飽きますし。立て続けに万年筆を洗浄する必要があったとき、手帳の百人一首を見て「!」と思ったのでした。数首を書くうちに5分などあっという間に過ぎます。覚える機会にもなって一石二鳥です。
本来の目的とは離れたところで思いがけず活きるのは、なんともいえずうれしいものですね。
それでは、次回もよろしくお願いいたします。
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