2024年の智文堂STOREの通販に同梱した月刊フリーペーパー「かなじのめがね」で、2号連続でネタにした件を、遅ればせながらブログにもまとめておきます(件の号はこの記事のヘッダ画像にチラッと写ってます)。
机の引き出しを整理していたら出てきた、1本の真っ黒なボールペン。写真を撮り忘れてしまい、いかに真っ黒であったかお伝えできないのが悔やまれますが、正体はデュポンのボールペン、クラシックでありました。
素材がシルバー(金属の銀)ゆえ、酸化して真っ黒になっていたのです。どれだけ放置してたんだい。
もともとは連れ合いの持ち物で、私の方が使う機会が多いだろうということで預かった(譲り受けた)のでした。とんだ失態。連れ合いがジッポのライター(同じくシルバー)をメンテナンスするついでにお手入れをお願いし、甦ったのがこちら。
ピッカピカ!(喜)
シルバーの輝きって、少し温かみというか、やわらかさを感じますね。
ヘアラインの隅など、細部の仕上げは布でひたすら磨きました。軸の上半分と下半分が別パーツになっており、逆方向にねじることでペン先が出てくる、ツイスト式と呼ばれる構造。バネなどの細かい部品はなく、クリップは超小型のネジで止められていて、精密ドライバーがあれば外せるシンプルな作りです(これまた外した状態の写真を撮り忘れた)。折に触れてお手入れすることを前提に設計されているんだなあ……と感動しましたが、輝きが出るまで細かいところを磨くのはそれなりに大変。できればもう酸化させたくない。
一番のお手入れ……それは「毎日使う」に如かず。しかし強豪メンバーがひしめく私の手書きフィールド、スタメンの門は狭い。加えて芯は(私の好みの下では)不利な油性ボールペン、しかも字幅0.7mm。書き心地の良さ、疲れなさでは万年筆に敵わない。発色の良さ、線の細さではゲルインクに及ばない。ここで活路を見出すには専属の用途を決めるしかない!
さて何に使おう
ある筆記具を目の前にして、「この用途に使おう!」とインスピレーションが閃く幸運なときもありますが、残念ながら今のタイミングでは出てこなかったので、この人(筆記具を擬人化する文具好きあるある)の個性から探していくことにしました。
万年筆やゲルインクボールペンにない持ち味は、ボディがタフであることと、字幅の太さもあって筆記時にかしこまらずに済むことです。どこへでも持ち運んで、雑でも気にせず書く使い方が合いそう。金属軸で重いし油性だ(= 書く文字をコントロールしにくい)から、清書よりメモ向き。複数のペンを使い分けるより、これ一本で潔くいきたい。ペンの佇まいにもそれが相応しい気がする。
このペンを使ってるときの様子がだんだんイメージできてきました(妄想名人)。「これ一本でざくざくメモを書く用途」をさらに膨らませていってみよう。
出先で使うにはちょっと重いし、軸が長い(M5やM6に合わせにくい)。マイナスポイントばかりを並べてるようですが、これまでの経験から、私は「保存用には気に入るように字が書けないとイヤ」「アイデア出しには疲れる筆記具はイヤ」「セットで持つなら、なんてお似合いの手帳と筆記具……と悦に入れないとイヤ」ということが身に沁みて分かってるので、頑張ったところでいずれ手に取らなくなるのが目に見えている使い方はバッサバッサと却下。
この辺まで考えてちょっと頭がやわらかくなったのか、そういえば、と思い出しました。この時期は自分の読書モードが勢いづいていたときで、「本を読んでる間に、考えたことや調べたことをどんどん書き出す場所がほしいな」と思ってたんだった!
読書記録にはすでにM6サイズの手帳を任じていまして(この話も書きたい!ぜひまた今度)、最初のうちは読書メモも1冊の手帳にまとめられたらいいな〜と思って同じ手帳に書いてみていたのですが、M6じゃ全然スペースが足りない。何冊かジャンルの違う本で試行錯誤したけど、ページ終わるのが早すぎる!どんどんリフィル足さないといけないのがめんどくさい!
デュポンのクラシックは、長さと細さから言ってバイブルサイズにぴったりです。うってつけやん。読書中はあくまで本が主役で、メモを書くのに気を取られるんじゃ本末転倒だから、ペン1本に絞ってざくざく書く、書くときに神経使わなくていいのも好都合。
ぴったりハマった 🙌
かくて気持ちよく役割が決まったのでありました。
手帳ほしくなるよね
この人を磨いているときに、(本来の持ち主である)連れ合いと話していて、「このペンに合わせるなら全身真っ黒の手帳やよなあ」という意見の一致を見ました。ペンは真っ黒にしたくないけど、手帳は真っ黒の本革がカッコいい!でも持ってない!(黒い表紙のはあるけど、パーツやステッチが赤かったり、ナイロンやキャンバス風だったり)
運よく見つかれば……という気持ちで出かけた神戸の NAGASAWA JournalStyle の棚の奥で、一冊の手帳がひっそりと佇んでいるのを見つけてしまいました。
初のブレイリオ、ロイヤルコードバンのノート型。手帳の外側はもちろん(しかも革の仕上げがスムース!しかも憧れのコードバン!)、内張も黒革、ステッチも黒、ベルトも装飾金具もなし!キャッホーーーーイ
ザ・ダンディ。このペンと手帳の組み合わせに使うなら横罫以外ない!ということで、リフィルは筆文葉の〈横罫9mm(補助罫3mm)〉をチョイス。
ぬおーーーーー理想が現実にーーーーーー(歓喜)
うれしすぎて、家に残っていた革のハギレで、専用ペンホルダーを作ってしまった。
酸化して真っ黒になるまで放置していた不甲斐なさから一転、手に取るだけでニヤニヤしてしまうお気に入りペアの首位に躍り出ました。バイブルサイズが書きたい分量にちょうどよくて、読書メモも捗る捗る!
しっくりくる形を探していた用途(読書メモ)に、道具側の要請からぴったりハマる組み合わせが決まり、さらに幸運な出会いにも恵まれるという、大変うれしい出来事でした。
使用したリフィル
オーソドックスな〈横罫9mm(補助罫3mm)〉です。私の字の大きさだと、罫線2本分を使って 6mm 相当で使うのがちょうどいい感じです。
ほんとに調子よく使えて、リフィル1袋分(30枚)まではあっという間。使い方が極端。
余談
油性ボールペンはいつも書き出しのインクが掠れがちなので、使わなくなったノートの切れ端をリフィルにリメイクして手帳の最後に綴じ、ぐるぐる殴り書きするページにしています。地味ですが快適。
しかし喜びも束の間、ほどなく仕事が忙しくなって本を読む余裕がなくなり、読書メモ自体ままならなくなって今日に至るという……(ズコーーーーーッ)
新年を迎えたことでありますし、仕切り直して使用頻度を上げていきたいと思っております。ペンが黒くなっちゃう!(切実)
余談その2
そういえば、いまはなき神戸の東急ハンズで、銀製品専用クリーナー(液体、
クリーナー液をコットンパフにとってススーーッと拭いたらピカピカになったので、ホッと一安心。が、油断せずに使っていくぞー。
それではまた次号で!
こんばんは😌
今年もよろしくお願いいたします🙇♀️
この子はJSで金治さんを待ってたんですね、素敵😍
こんにちは☀️
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします🙇🏻♂️
出会えてとっても嬉しかったです😍
大切に使って、幸せを感じてもらえたらいいなあ✨