筆文葉企画メンバーである Pen and message. の店主Y氏が、先日、お店のWebサイト内の連載「店主のペン語り」にて、ノートと手帳の使い分けについて語っていました。
- 用途によって使い分けるノートと手帳|Pen and message. 「店主のペン語り」(www.p-n-m.net)
何を隠そう、私もずっと高知県民手帳という綴じ手帳を使っていまして、2冊の使い分けは日々の重要なテーマです。今回は実用的なアイデアから少し外れて、私なりの考え方について書かせていただきたいと思います。
どちらも同じ「手帳」ですから、両方を使うには「お互いにない特徴」を活かすのが一番です。システム手帳と綴じ手帳の決定的な違いは「ページが固定されているかどうか」ということで、私は「ページの並び=時間軸」とみなして、以下の結論に落ち着きました。
- システム手帳 → 「時間を区切らず残したい情報」を集約する
- 綴じ手帳 → 「時間の経過に沿って」予定や出来事を蓄積する
もちろんこれが全てでも必須でもありませんし、今後もどんどん変わっていくと思いますが、核はここかな、と感じています。これだけでは分かりにくいので、もう少し具体的にご説明します。
「時間を区切らず残したい情報」とは
綴じ手帳だけを使っていたころ、毎日のように使うから必ず手帳に書いておきたい、しかも毎年手帳を新しくするたびにわざわざ引き継いでいる情報、というのがいくつかありました。分かりやすいのは「頻繁にやりとりする相手の連絡先」「WebサービスへのログインID」、マニアックなのは「用紙寸法の規格」でしょうか。これらは毎年変わるものでもないので、毎年書き写すのは不便です。こういう、一年という時間の区切りに関係なく手元に置いておきたい情報は、システム手帳に入れた方が断然便利だと思います。
また、”集約”という言葉に表されるように、システム手帳を使いやすくするためには「情報の選別」がポイントになってきます。何を残すか考えるのは、何を捨てるかを決めることです。システム手帳と付き合う上では「削る」姿勢が重要なように感じます。
「時間の経過に沿って」記録するということ
これは通常のスケジュール管理や日記にあたります。書き込んだことは基本的に時系列で並びます。
「あのお祭りのあった日に電話があった」とか「あの仕事を終わらせた後の出来事だった」とか、思い出すときには時間の前後が大きな助けになりますから、あとから記録を探し出す便宜のために、起こったことや感じたことを詳しく書き残すのは、”ページ=時間軸”が固定された綴じ手帳の方が向いているように思います。
一年で一冊になっているものが多いので、保管しやすいという点も有利です。システム手帳を使う際に「削る」ことが大事だったのに対し、綴じ手帳は「溜める」ための受け皿になってくれる感じでしょうか。
システム手帳と綴じ手帳の幸せな共存
集約すると口で言うのは簡単ですが、日常生活の中で、どれを残すべきでどれは削ってもいいのか、いきなり判断するのは困難です。また、とりあえず何でもかんでも詰め込んだ情報は、どうしても使いづらくなります。そこで、綴じ手帳にひととおり記録したことの中から、定期的にシステム手帳に情報を吸い上げるようにできれば理想的かな……と思います。まあこれは手間暇がかかりますから、頭で考えてもなかなか続けられないのですが。
システム手帳どころか、手帳の2冊づかいを推すような結論になってしまい恐縮です。とはいえ私は実際に2冊の間をウロウロしているので、今後は併用の様子についてもちらほらご紹介できればと思います。
理屈っぽい上にすごい長文になってしまいました。それでは、次回もよろしくお願いいたします。