書写を楽しむ #1

書写を楽しむ #1

#1 と銘打ってはみたものの、果たして次号に続くかどうかは未知数(お約束)。まあ……いってみまひょ。

万年筆の書き味やインクの色合いを楽しむのに、書写はうってつけの方法であります。なにせ手を動かしさえすればいいので、私にとっても作例を作る上での救世主。頭を空っぽにして楽しめる時間でもあり、ついつい数を増やしてしまう魅力があります。

2022年7月に発売したM6サイズの新商品、〈澪〉を使って『源氏物語』「澪標」の帖の冒頭を書写してみました。方眼罫に縦書きで日記を書いたらこんな感じ……と、脳内変換してご覧ください。

世にある商品の中には万年筆のインクを弾く罫線もあるのですが、波文葉は文字を書くのに問題ないくらいにはインクの乗るものだったので(この書き方でお分かりのとおり単なる幸運)、場所を避けたりせずそのまま書いていただけます。

接写。左から二行目の「思しる」や、同三行目の「御遺」あたりで様子がわかるでしょうか。これは印刷でしかできない芸当なので(レーザープリンターのトナーはつるっと弾くし、インクジェットは逆に滲む)地味ですがとても嬉しいのであります。

どうせなら横書きを作ればいいのに、縦書きを続けちゃったの図。これは北原白秋の句集から。同じく「澪」という言葉が使われているものを引っ張ってきました。

密に書いても、行間にゆとりを持たせても、どっちも合いますねえ(手前味噌)

見開きにするとこんな感じです。うふふふふ……(悦に入る音)

M6サイズは、書いていて疲れすぎることも物足りなさも感じずにすむ、ほどよい大きさという気がします。

手帳に綴じた様子のイメージ写真。『澪標』には Kobe INK物語の「摩耶ラピス」、北原白秋には色彩雫の「紺碧」を使用しました。系統の異なる青インクが並ぶ様子もいとをかし。


システム手帳はページの抜き差しも並べ替えも自由自在ですから、気に入った出来栄えのものだけ集められるし、たとえ三日坊主になってもあまり気にならない、都合のいい道具だと思います(気になるページは外せばいいしね😎)。気軽&気長な趣味のおともとして、M6サイズ、オススメです。

それでは、次回もよろしくお願いいたします。